安部晋三首相は10月1日、消費税率を14年4月から予定通り、5%から8%に引き上げると表明した。15年10月には10%に引き上げられる予定。消費税率の引き上げは1997年4月以来2回目で、上げ幅は前回を上回る。
 首相は景気の落ち込みを避けるため、企業の設備投資を支援する補助金や公共設備を柱とする5兆円規模の経済対策を12月上旬に策定する方針も示し、企業への優遇ぶりが目立つ。一方、消費税導入時や税率引き上げ時に行われた所得税・住民税の減税はなく、家計には増税がそのままのしかかる「純増税」となる。
 新聞等の反応では、県経済団体連合会は「経済対策も講じた万全の体制」と評価した。ただ、県内の大部分を占める中小企業が増税分を製品価格に転嫁できるかを懸念している。又、県内経済界からは消費の冷え込みなどへの影響を懸念する声が相次いだ。このまま増税を先延ばししていると、将来必ず深刻な事態に至ることが予想されることは、受け止めつつも、景気回復には強い逆風となるだけに、県内経済が耐えきれるのか、恐れてびくびくしている関係者も少なくないという。

  個別企業からは、「景気回復の実感もないのに」という理由から増税に対する不満が続出しているという。このように、消費税増税に反対する人の声も根強い。共同通信社が1、2両日実施した全国緊急電話世論調査によると、消費税増税に賛成する人が53%。結構高い値だと思いますが、一方、消費税増税に反対する人の割合はと言えば、43%です。この調査結果をどう見るべきか? 15年10月からの消費税10%には62%が反対した。
 円安基調や原材料価格の高騰などで、今月10月から小麦粉や大手メーカーの牛乳・清酒・ごま油など幅広い食料品が値上げされるそうで、大手保険会社の自動車の任意保険や大手旅行会社の海外旅行ツアー料金も上がる。一方、年金の支給額は1%減額される。これは、物価スライドの特別措置が解消されるためで、一年半かけて2.5%引き下げられる。母子、父子家庭への児童扶養手当なども段階的に減らされる。さらに消費税増税が追い打ちを掛ける。
 経済対策の実行で景気の腰折れを防ぐというが、会社員の給与が上がる保証はない。年金受給者は支給額の減少と増税のダブルパンチで生活が厳しくなる一方だ。
 金融緩和を中心とした経済政策、いわゆる「アベノミクス」効果で進行した円安と株高によって企業収益が改善しているものの、給与水準は上がっていない。物価の上昇が目立ち始めた中での増税実施、庶民の生活が圧迫されるのは明らかだ。これに対して、消費増税を凍結すれば、日本の財政が国際的な信用を失って、国債や通貨が急落する懸念がないとは言えず、税金がなくて国家組織が運営できるかと言えば、それは無理な話で、増税自体はやむなしと思うが、1000兆円の国の借金がこれ以上増えない程度の努力をすることも肝要である。 家計の支出を抑えて生活を守るしかない!