「変動」から「固定」に借り換えるタイミングは?
 「固定金利へシフト増加」! 最近このようなタイトルの記事が目立ちます。

 住宅ローンの借入金を背負う人にとって、金利の上昇が家計を圧迫することは言うまでもありません。そもそも大幅な金融緩和は、企業や家計がお金を借りやすくする経済再生のカンフル剤だったはずですが、日銀は自ら国債を買い集めて、品薄→値段上昇→金利低下というシナリオを描いていたのですが、ここにきて住宅ローンの借り入れで固定金利を選ぶ人が増えています。安部政権が進める経済政策で景気が上向き、企業の資金需要が高まることで金利の上昇を予想する人が増加しているようです。今のうちに固定金利にして、返済額を確定しておきたいという心理が働いているようです。

  「変動金利で大丈夫か?」。
最近、このような住宅ローンの質問をする人が増えました。金融機関の融資担当者も「これまでは説明するまでもなく変動金利を選ぶ人が多かったが、固定金利への関心が高くなっている」と話しています。住宅支援機構の調査でも固定金利の割合が変動金利を上回ったそうです。
変動金利は、これまでのように景気が低迷し金利が下がる局面では返済額を抑えられます、上昇局面だと返済額が膨らみます。一方、固定金利は、十年物国債の金利が指標となり変動型より金利は若干高いが、金利が一定で返済額をあらかじめ確定できます。

 変動金利の水準は現在、最も信用力がある人に適用される最優遇金利で0.8~0.9%台が主流。一方、十年間の固定金利の最優遇金利は1.3~1.6%台の金融機関が多く、固定と変動の金利差がかってないほど縮小してきています。もともと変動金利の人は金利上昇への不安があります。返済額がそう大きく増えないなら、固定金利にして安心したいとの心理も動いているのでは?
 このまま金利が上昇傾向をたどれば、消費税増税前にマイホームを持ちたいと考えていた人たちの購入意欲もしぼんでしまうのではないでしょうか。購入前にじっくり相談できるなら、まだいい。超低金利の「変動型」ローンを組んで返済中の人にとっては、半年に一度金利が見直されるため、上昇し続ければ借金が膨れあがることになります。また、今月末に六月の住宅ローン金利を決める大手銀行も金利引き上げに動くのは必至と思われます。
 専門家は、金利がどう動くのか予想するのは難しく、変動と固定のどちらを選ぶのが有利なのか一概に結論は出ません。「ただ、金利プランを考える時は、なるべく安い金利を選ぶだけではなく、どれだけの金利上昇に家計が耐えられるか、把握しておくことが大切」とアドバイスしています。
 最近、東京株価暴落、13年振りの下げ幅、長期金利乱高下、円急伸とニュースが錯綜していますが、確かに今から振り返ると、2週間で2,000円の上昇はスピード違反だったのかも知れません。ただ、海外の投資家を中心に「日本ではお金の回りが良くなりそうだ」と期待を持たせている段階。だからちょっとした値動きで過剰反応しやすい環境になっているのは間違いないのではないでしょうか。