日本銀行が先月、追加の金融緩和を決めましたが、そもそも金融緩和ってなに?
簡単に言うと、企業や個人が低い金利でお金を借りることが出来るようにすることです。低い金利なら、お金を借りやすくなり、企業は工場や機械を増やす事ができる。個人は住宅ローンが借りやすくなる。

 企業や個人がたくさんお金を使えば、製造業や小売業などが企業の利益は増えて、従業員の給料を上げたり従業員を増やすことができます。そうなれば、さらにモノを買う量が増え、生産なども増えます。この繰り返しが続けば景気が良くなっていく、ようするに、日本の経済が混乱しないように、物価を安定させる役割を担っています。

 ではなぜ日本銀行がするのかと言うと、日銀の大事な仕事の一つは、民間の銀行がお金を借りやすくすることです。民間の銀行は、毎日の金融市場で、必要になるお金を貸したり借りたりしています。日銀はその金融市場のお金の量を調節して、金利の上げ下げをしています。
では、その金利の具体的な上げ下げの方法というのは、銀行が持っている国債や社債などを売ったり買ったり、です。金融市場に沢山お金があれば、借りる銀行を増やすために金利を引き下げなければならないし、逆に借りる銀行が多ければ金利が高くても借りる銀行は出てきます。こうやって金利を調節しているわけです。

 他の方法としては、もし、国内の金利が下がれば、投資家は外国の市場で運用することを考えるでしょう。しかし、外国の通貨が必要になります。そうなると円を売って外国の通貨を買うため円の価値が下がる。それが、多くの日本企業が望んでいる円安です。

 日銀はこれまでにも金融緩和をしていますが、デフレや円高が収まらないのはなぜ?
日銀の金融緩和が十分でなかったという指摘はありますが、日銀がどれだけ金融市場にお金を供給しても、肝心の企業や個人が金融機関からお金を借りなければ、効果はありません。

 高齢化で労働人口が減っている現在、企業や個人がお金を使う動きが落ちています。金融緩和だけでは、景気を良くすることは厳しいのではないかと思われます。