日本郵政グループの「ゆうちょ銀行」と「かんぽ生命保険」は2013年4月からの新規事業を金融庁と総務省に認可申請した。という記事が新聞紙上に載りました。
ゆうちょ銀行はこれまで、地銀のスルガ銀行(静岡県)と提携し、個人事業主や女性向けの住宅ローンを受託販売してきましたが、自社商品の販売は有りませんでした。今回、これらにサラリーマン向けなどを加えた住宅ローン・個人向けの無担保カードローン・教育や自動車購入などの目的別ローン・企業向け貸出を自ら手がけたいと申請したものです。また、かんぽ生命保険も学資保険の新型商品を販売したいと申請しました。
事業規模の縮小が続く二社にとっては業務拡大に向けた一歩ですが、民間金融機関からは「民業圧迫につながる」と批判の声が上がりそうです。
郵政民営化委員会による審議を経て、25年4月の開始を目指す、この委員会は日本郵政グループの新事業を認めるように審査基準の見直しを進めています。また、ゆうちょ銀行の申請も認める方向で、金融庁長官と総務相は委員会の審査結果を尊重する見通しのようです。
ゆうちょ銀行は、住宅購入を促進できれば経済にも貢献できるということを前面に出して、民間金融機関を補完し400万円以下の融資を一つの基準とし、50年にわたる超長期ローンも請け負うとしています。しかし、この融資には色々問題はあると思われ、貸し倒れのリスクが高い案件になるのではないかとも懸念されます。
いずれにしても民業にしてみれば脅威であることには間違いありません。
個人事業主の方、働く女性の方、アクティブシニアの方など、働き方やライフスタイルに合わせてお一人おひとりを応援する商品を多彩にラインナップして、新築はもちろん、増改築や住み替え、借り換えなどにも対応、住まいの夢を力強く応援し顧客ニーズに答えるということです。が、しかし、ゆうちょ銀行も超えるべき壁は高いのでは‥‥。
貯金のほとんどを国債で運用するゆうちょ銀行とすれば、「運用先の拡大は差し迫った課題」でもあります。
事業規模の縮小が続く二社にとっては業務拡大に向けた一歩ですが、結局最後は、民業と競合させてくるのではないでしょうか。