「元本が減る仕組みを知っていたらもっと早く解約していました」こんな声があります。
このタイプの毎月分配型の投資信託は、毎月、投資家への分配金があり、銀行などでも幅広く売られています。分配金を利息と同じだと思っていると損益が正しく理解できないため、注意が必要です。
このため日本証券業協会は、毎月分配金について、説明を徹底するよう求める通知を証券会社などに出しました。同協会の担当者は「分配金について、預金金利や年金と同じような感覚を持っている人が多いため、説明を求めた」とのこと。
分配金は、投信が投資した株式の配当や債券の利息のほか、投資した株などが値上がりした利益、過去に積み立てたお金などで賄われ、いくら支払われるかは一定ではありません。注意が必要なのは、投信の資産の中から支払われるため、分配金に相当する分、基準価額が下がることです。
例えば、基準価額が10,000円の投信を購入し、分配前に収益が出て15,000円に上がった場合。
ここから100円の分配金を受け取ると、基準価額は9,950円に下がります。購入時の基準価額を下回る50円分は、元本の一部払い戻しに当たります。証券会社などから定期的に送られる明細書で、分配金が「普通分配金」となっていれば収益が分配されたことを示し課税されます。「特別分配金」なら元本の一部払い戻しで、こちらは非課税。
投資信託協会のアンケートで「分配金が支払われた額だけ基準価額が下がる」と理解していた人はわずか17%だけ。生活ジャーナリストの人は、預金の低金利に不満な高齢者が「毎月お小遣いがもらえる」と薦められ、仕組みを理解せずに高利回りの預金と誤解しているケースが多いと指摘しています。分配金が出ているからと安心せず、基準価額を確認して損益を把握するようお勧めします。
分配型投信は金融知識のない素人向けに販売している印象が強いように思える。特に高齢者に対する販売勧誘ルールを見直す必要があるのでは、と話している。
毎月分配型投信のメリットといえば、短期的にある程度の収益が期待出来ることですが、デメリットとしては、元本保証がないこと。一部の運用会社では、短期的に人気を集めるためにかなり無理に分配金を払いつづけ、結果元本部分が減ってしまっていることがあります。皆さんも聞いたことがあると思いますが、「タコハイ」という運用方法です。タコは、エサに困ると自分の脚を食べるといいますが、そのイメージです。
結論として、どうしても分配金につい目がいきがちですが、投資信託を最終的に売却したときに値下がりしていて損失というのでは元も取れません。あくまでも分配金はオマケととらえて、投資信託の値上がり益が期待できる分配型を選ぶことが大切だと思います。