「投資信託」とは‥証券会社や銀行を通じ、多数の出資者から集めた資金を投資の専門家が株式や債券、不動産などに投資運用し、収益が出たときにその成果に応じて出資者に収益を分配するという仕組みの金融商品です。日々値動きする資産を扱うため、投資信託の資産価値も変動します。
 「基準価額」とは‥投資信託の価格、投資信託の一口あたりの時価のこと。購入したり換金したりするときの価格に相当し、値上がり、値下がりで運用成績も分かります。
 投資信託の中で分配金を毎月支払うものを「毎月分配型投信」といいます。毎月定期的に分配金を受け取れることで、購入者に安心感をもたらし、人気を呼んでいるようです。しかし、この投信は、元本保証が有りません。為替リスクがあること。分配金が運用収益を反映したものではないことがあるので注意が必要です。
 

 最近の新聞に「元本が減る仕組みを知っていたらもっと早く解約していました」。毎月分配金型の投資信託(投信)を購入した女性から、こんな声がある新聞社の生活部へ届いたことが載っていました。

 この五十代の女性は2006年、毎月分配型の投信計620万円分を購入した。証券会社から「分配金が出るから絶対良いですよ」と勧められた。パンフレットで元本割れもあることなど投信のリスク(損失の可能性)は理解していたとのこと。
 分配金については「定期的にもらえるなら、その分リスクを補える」とプラスに考えた。定期的に届く通知で、基準価額が下がっていくのは「株などが値下がりしているから仕方ない」と思っていた。ただ、最初は源泉徴収されていた分配金に対する10%の税金が、途中からなくなったのが疑問だった。証券会社や金融機関等に聞いても、明確な説明はなかったという。
 十月に証券会社から届いたパンフレットで分配金のからくりを知り「元本を削ってまで分配する仕組みはおかしい」と解約を決断!
 基準価額が下がっていて売却損が大きく、これまでの分配金を全て足しても損失は約百九十万円に上がった。女性は「もっと早く知っていたら損失も少なくて済んだ」と説明不足に憤る。

 このように分配型投資信託は、一人あたりの平均購入金額が500万円前後のようです。退職金などで一定金額を確保した高齢の方が、毎月お小遣い感覚で分配金を受け取りたい、というニーズがあるからです。しかし、売却した際に、「売却損」が出る可能性もあります。毎月それなりに分配金をもらっていたけれども、売却損と天秤にかけたら、結局は儲けはなかった、もしくは損失が出てしまったというケースもあると思います。

 この続きはまた次回に