最近、欧州の金融危機で、
イタリア国債が売られ、利回りが急上昇し、財政危機に陥る危険水域、7.4%となった! とか、日本の長期金利も上昇、1ヶ月ぶりに1%台に! ギリシャの国債が暴落! ベルギー国債は政治空白の長期化、財政再建が進まず5.5%台に上昇! というふうにマスコミ等で毎日のように騒がれています。
我々が一番気になる日本国債の利回りは、低下しています。国債は一般消費者にとって定期預金と並び安全とされる投資先の一つ。しかし、どういう仕組みで利回りが変動するのか?
私も新聞等色々調べて見ましたので、少し紹介したいと思います。
そこで国債とは‥公共事業などのために国がする借金。すなわち国債とは国の発行する債券です。銀行や個人が買うと、国にお金を貸すことになります。持っていれば、発行時に決まる表面利率に基づき一定の利子がもらえ、一定期間後(償還期限)に元本が返ってくる仕組みです。償還まで1年未満の短期の国債や、10年以上の長期国債、利子が変動するものなどさまざまな種類があります。「個人向け国債」もあり、金融機関などで購入できます。
市場で安全だと考えられた日本の国債には、買う動きが強まり、価格が上がりました。すると利回りは逆に下がるのです。一般家庭の財産づくりを目指す投資信託で運用を担当する人が解説するには、「借金をしたら、期限には返さなくてはいけない。借金が多く、返済できるか不安な人には貸したくはない。そうなれば、借り手である国は高い金利を払わないと借りられなくなるのです」。イタリアのように「将来利払いや返済がされないのではないか」との不安が高まれば国債を売る動きが強まり、市場価格が下落。利回りは上がるのです。
「利回り」は、投資した場合に一年間でどれだけの利益が得られるかを表しています。国債を発行したときに決めた「利率」が一定なのに対し、利回りはその時々の市場価格で変わります。
利回りが変動する仕組みは‥
利率が年1%で返済まで十年、額面が百万円の国債を額面通りの金額で買ったとします。購入者は毎年一万円の利息を受け取れるので利回りも1%です。
この国債が人気がなくなって値下がりし、九十九万円で買えたとしましょう。政府からの利息は変わらないので、償還期限まで持ち続けると、十年分の利息十万円と買った金額より一万円多い百万円がもらえます。九十九万円の投資に対し、一年当たりの収益は一万一千円なので、利回りは年1.11%に上がります。逆に人気が高まり、額面より高い百一万円で買うと、利回りは0.89%に下がります。
「政府が新たに国債を発行する場合、流通している国債の利回りよりも低い利率にしたら、誰も額面通りの値段で買いたいとは思いません。市場の実勢を見て利率が決まります。」価格も額面通りでなく、入札で決まるため、新しく発行された国債を買った人の利回り(応募者利回り)も市場と同じになるよう調整されるそうです。
要するに、流通価格が下がれば利回りは上がり、流通価格が上がれば利回りは下がるのです。「金利と債券価格は逆向きなワケ」については、また次回にでも。