○与信管理に関する基礎知識
今回からは実際の運用方法について説明していきます。
1.取引先評価
取引先に対して信用調査を行い、企業の詳細情報を把握した上で、
「リスク指標」を参考に判断していくことです。
2.取引判断・・・・・どのくらい危ないか、どのくらい安全か
取引先の評価を元にして、新規取引先の取引可否判断や、
既存取引先の継続可否判断等を行います。
3.信用枠の設定・・・取引しても大丈夫? 取引条件は?
取引先評価と、取引先の企業規模や取引規模等を勘案して、信用枠を設定します。
取引先の売上・業種および自社の規模などの各種データを元に
「リスク指標」を活用して自動的に信用枠を算出する方法がベター。
4.売上債権管理・・・この取引ならここまで売っても大丈夫!
月末時点の売上債権残高を集計し、月次で信用枠と比較できるようにしておきます。
取引単位ではなく、企業単位での売上債権残高がベスト
もし、売上債権残高が信用枠を超過している場合には、回収促進などを行い
常に信用枠を下回るようにしておく必要があります。
以上のように、この流れをすべての取引先に1ヶ月サイクルで回していきます。
これが与信管理の基本的な流れです。
取引先の数、
各取引先との取引金額の多寡、
取引に関する業界慣習、自社の営業体制など
要素により運用方法は各社各様になりますが、最小単位をこのサイクルとすることに変わりはありません。
取引先の様々な情報や売上債権残高をスピーディーに把握し、
設定した信用枠の中で売上債権残高が収まるように回収状況を管理していく、
この「与信管理の流れ」をしっかり認識していくことが、
「与信管理」のきちんとした運用を行うための大切な一歩になります。