円高!という記事を最近毎日のように見かけます。
円高の影響を受けて、海外旅行に出掛ける人が増えているとか。外為市場での急激な円高は15年振りの水準に突入したとのこと。
日本は輸出の割合が大きいので、国内が全体的に大ダメージです。新聞やニュースによるとかなりのダメージを受けている企業も多いようです。自動車などの輸出企業の大半は今期の為替レートを1ドル=90円前後に設定しており、想定を大きく超える円高で収益が悪化する懸念が強まっています。スズキの社長は、極めて深刻な状態であり「自分で企業を守るには限界を超えてきた」と語っており、政府の対応を求めました。
為替変動が与える影響をわかりやすく言えば、Aという車1台を、1ドルで売ったとします。
今まで「1ドル100円」だったものが、円高により「1ドル80円」になった場合、同じ車を売っていても20円の損が出ます。実際は車1台1ドルなんてありえませんが、車の輸出は1台どころか何千台規模なので、損の額も莫大な額になるのです。
また、日本の企業がアメリカで100万ドルの売上をあげたとします。この額を日本円に換算しなければなりませんが、ここで1ドルが100円だとすると、売上は1億円を計上します(100円×100万ドル)。しかし、ここで1ドル80円だった場合は、8千万円となり(80円×100万ドル)、円高の影響で2,000万円も減収が発生してしまいます。
逆にアメリカから1ドル100円時に、ある材料を1個100ドルで購入したとします。換金した場合は、10,000円となり、円高が進み1ドル80円時に購入したとすると8,000円となり、2,000円安く購入出来ます。
日本を基準に考えると円高は相手国からの購入(輸入)に有利、販売(輸出)に不利となります。
円高でメリットの大きい企業はどこでしょう?
これは海外で製造した商品を国内で販売している、製造小売企業が筆頭に挙げられます、例えば、ユニクロ、家具・インテリア販売最大大手のニトリ、婦人服のハーズなど。
(このブログは掲載銘柄を推奨するものではありません)。
また、旅行会社は、昨年来からの景気の低迷に加えてインフルエンザの流行等もあったため、売れ行きは昨年とは雲泥の差と異口同音。県内の各旅行会社も「巻き返しの起爆剤に」との期待が高まっています。ただ、現地で円高の恩恵を感じたという旅行者は少ないようです。「お土産を頼まれたものの、物価自体はデフレ状態の日本の方が安く感じた」と恨めしげに話している人もいるとか。
リーマンショックからもうすぐ2年が経とうとしています。経済政策のもとで、漸く落ち着きつつあると思った矢先の円高は、再び襲われる悪夢のような景気減速を予感させないよう願うばかりです。