昨年の後半からサブプライムショック、リーマンショック、トヨタ・ソニーショック…と日本経済がショックの連続に見舞われ、かって経験したことのないスピードで経済指標が悪化しました。この金融危機の対応策として、政府は緊急融資(経営安定資金)の制度を取り入れ、ほとんどの企業の方々が利用し、資金繰りの円滑を図っているのが現状です。

 「出口のないトンネルはない」「明けない夜もない」の言葉どおり、不景気の後には必ず好景気がくると言われますが、この先の見えない不安は今年も変わりそうにないと思われ、景気の後退は一段と鮮明化すると見た方がよいのではないでしょうか?まだ出口が見えてきません。

 先日、県内の銀行が公的資金を導入しました。万全の策であると言っていますが、やはりイメージ的に悪い印象を与えました。金融機関の貸出姿勢もかなり変化してきています。

 緊急融資の導入で、市場がちょっと静かになっています。中にはそれで「こと」が済んで良かったという先もあると思いますが、内需の柱である個人消費は弱い動きを続けており、中小零細企業や個人にとって実感が伴わないものとなっています。
やはり一時的な急場しのぎであり、今度、資金繰りの悪化が来たときにはどうするかです。金融機関に「苦しいからもう一度助けて欲しい」だけでは協力はしてくれません。

 問題は、次の打つ手だと思います。これ以上借入も出来ないという状況からどうするか? 損益・資金繰りが分かる資料作成が大切であると同時に、経営計画のチエック及び見直し等を早急に行い、手遅れにならないような治療をすることが肝要と思考します。
企業は、人と同じ!血液(資金)の流れが止まれば死んでしまいます。こうした一時的な収縮局面において野垂れ死ぬわけにはいきませんので、短期的な支出を最大限削減し、生きながらえる可能性を最大限高めることを優先すべきと思います。

 ギリギリまで痛みを我慢して、最後の最後になって駆け込んだときには、打てる手も極端に限られてしまいます。

 この米国発の金融危機から忍び寄る世界恐慌!経営コンサルタントの堀紘一氏は、「次の時限爆弾」はCDSと言っています。倒産や債務不履行に伴う社債や証券の損失を保証する「企業版生命保険」で世界の取引残高は六千兆円あるそうです。堀氏いわく、「信用を膨張させた金融商品などの総額は『兆』の次の単位『京』になってもおかしくないと。
もうここまで来ると我々には、ただの数字でピンときません。