例年12月になると、一年を振り返って漢字一文字が発表される。
ついこの間ある週刊誌に、今年はきっと「偽」なのではないかと載っていた(昨年は「命」であった)。

 そういえばそうかも知れない!
今年の夏は、食品で中国の肉まんが日本に飛び火して以降、赤福、地鶏、一流料亭にまで、ここに至っては、商品の賞味期限ラベル張り替えが社内で約十年前から常態化していたことも認め、賞味期限を偽装するためのマニュアルまで作っていたことも判明したという。聞いて呆れる。

 このように立て続けに偽装が発覚し、最近は大手建築メーカーにまで拡大、収拾がつかない常態にまでなっている。偽装は今年に始まったことではない。一級建築士の建築設計偽装が社会問題となり、今年6月には改正建築基準法が施行され、確認申請が中々おりず、工事着工は遅れ遅れとなり、工事業者のみならず、建築資材卸業者まで大きな影響を受けている。

 昨年の「命」は、痛ましい事故や事件が多く、命の重みと大切さを願ってつけられたものとか…。しかし、今も考えられないような事件が毎日のように起こり、偽装のニュースもなくならないのが現状である。一体この国はどうなるのかと、憂鬱にならざるを得ない。

 言い古された言葉ではあるが、「信用の構築には長年の労力を要するが、信用失墜は一瞬で起こる」この言葉を忘れてはいけない。

 ある日信号待ちをしていて、どこかの女性職員だろうか、歩道を通りすがりに、捨てられていたゴミを見つけて、当たり前のように拾って行った。今では中々出来ないこと。又、先日所用のビルでドアを開けようとしたら、先に向こう側の人がドアを開けて、待ってくれていた。久し振りに、なにか嬉しくなった。

これからは、こういう小さいことにも眼を向けなければいけないと再認識させられた。