金融コラム(19)
資金繰り改善マニュアル 【締めや支払のルールを作る】
財務体質を改善するうえで、意外とあなどれないのが
経理業務を合理化することです。
キャッシュフローの改善や財務体質を強化する前に、
正確で早く財務データを収集できる環境整備のために、
現状の経理業務をいかに合理化するか、
ということが重要です。
そのなかでも、「支払日と支払い方法のルール作り」です。
ご存じのように、会社には色んな支払があります。
・買掛金の支払い
・人件費の支払い
・地代家賃の支払い
・水道光熱費の支払い
・一般経費の支払い
・借入金の支払い
・税金の支払い
・日常的に発生する小口経費の支払い
など多くの項目があります。
これらの経費の支払いが、不定期に発生するとなると、
常に現預金の残高を気にしないといけませんし、
その都度、支払業務を行わなければなりません。
その上1ケ月でいくらの支払金額が
何日の時点で必要なのか、把握することが難しくなります。
これらの問題点を解決する方法としては、
①経理の締めと支払日を統一すること
②ネットバンキングを利用すること
③クレジットカード決済を利用すること
の3点があげられます。
まず、①【経理の締め日と支払日を統一すること】です。この一番の目的は、
「その月で支払うべき金額はいくらあるのかを明確にする」
「支払事務の能率化を図る」ことです。
締め日や支払日が不定期の場合、1か月でいくらの支払を行わないと
いけないのか、実際に担当している経理担当者も把握していない
ケースが多くあります。
これに対して、締め日を決めて支払日を統一すると、
その月にいくらの支払を行うか、
その合計を把握することで、その月に出て行くキャッシュの金額が把握し、
事務も合理化ができるわけです。
次に②【ネットバンキングを利用すること】です。最近では
ネットバンキングを利用している会社が増えてきたものの、
まだまだ窓口で支払を行っている会社が多いのも事実です。
ネットバンキングに限定することで、
業務時間を大幅に短縮することができます。
最後に③【クレジットカード決済を利用すること】です。
これは小口の経費などの支払いで、日々小口現金で清算したり、
水道光熱費のように、支払日を統一できない経費などについて、
クレジットカード決済に集約することで、支払日をまとめることが
可能になるというメリットがあります。
また、それらの金額が月間でいくらぐらい発生するかを
把握しやすくなりますし、
当然のことですが、現金決済よりも支払が後になりますので、
キャッシュフローの観点からもメリットがあります。
このように、支払日と支払い方法のルール作りを行う、
というコンセプトに基づいて支払を管理すると、
1ケ月の支払金額が把握しやすくなるのはもちろん、
業務の効率化やキャッシュフローにとってプラスの効果が期待できます。
以 上