金融コラム(16) 資金繰り改善マニュアル
【在庫増は資金繰りを悪化させる】
商品を販売するには基本的に在庫は必需品です。
在庫がなければ購入する人のニーズに即、対応することが出来ません。
したがって、
お客様を確保し売上を確保するには一定の在庫は不可欠です。
在庫は資金繰り上はマイナスに作用する。
在庫をかかえるには当然ながら資金が必要です。
その資金は、
在庫が販売されて始めて回収することができます。
在庫をかかえたままで、
売れなければ在庫をかかえるのに費やした資金は、
手元に戻ってきません。
在庫をかかえる時間が長ければ長いほど、資金繰りを圧迫するのです。
したがって、
常に在庫量を管理し、適正な在庫量に調整することが
資金繰りをスムーズにする上できわめて大切なことです。
それでは適正な在庫量はどれくらいでしょうか
企業の業種によって適正水準は異なりますが、
おおむね売上の1ヶ月分程度が適正な在庫水準と考えられます。
※ 卸売業で約20日、小売業で約30日(中小企業の財務指標より)
在庫量は、
棚卸をすれば一番正確に把握することが出来ますが、
決算書にて簡単に自社の適正な在庫量を把握することが出きます。
それは、在庫回転期間とよばれる数値ですが、
次の算式によって求めることができます。
在庫回転期間=在庫÷(年商÷12)
例えば在庫量が2,000万円、年商が1億円の会社の場合、
2,000万円÷(1億円÷12)=2.4ヶ月
つまり、
この会社は決算期時点では
月商対比2.4ヶ月の在庫をかかえていることになります。
資金繰りが悪化している会社の場合は、
この在庫回転期間が
決算期毎に年々長期化している傾向があります。
この在庫回転期間の傾向の把握は、資金繰りを楽にする上では重要です。
一定しているか、あるいは年々短縮化傾向にあれば、
あなたの会社の在庫管理は適正に行われていると考えられます。
逆に在庫回転期間が長期化する傾向にあれば、
在庫管理を従来以上に厳格にするようにしてください。
そのまま放置すればますます資金繰りは苦しくなります。
ずさんな在庫管理は資金繰りを簡単に破綻させます。
次回は【資金繰りが苦しくなる7つの原因】です。