担保権設定契約において、もう一つ注意が必要な論点は

「物上保証」をめぐる問題です。

     

 物上保証とは、

 お金を借りる人ではない別人が

 提供する担保のことです。

 注意が必要な物上保証人には

 下記の2つのケースがあります。

 ①経営者の配偶者(共有名義のリスク)

 経営者の配偶者が、

 経営者宅の共有名義人であることはよくあります。

 この場合経営者宅への担保設定では、

 配偶者も契約当事者です。

 経営者が設定すると希望しても、

 配偶者の反対がある場合は、

 後日、トラブルとなりかねません。

 ②経営者親族(高齢のリスク)

 経営者の両親等の所有不動産に

 担保設定がなされる場合、

 契約当事者が高齢であることに注意が必要です。

  認知能力などを巡り、

 担保設定契約の無効を主張されることがあります。

 特に相続発生時に、経営者以外の相続人から

 こうした主張がなされるケースが多いようです。

     

 金銭消費貸借の当事者である債務者が

 担保権設定契約の説明を受けるだけでは不十分で、

 担保提供者である物件所有者も

 説明を聞く必要があります。