利益が出ていても資金が足りなくなる3つの理由
決算書上は利益が出ているのに、
資金繰りが大変で資金不足になるのは、どうしてでしょうか?
利益=売上-経費ですが、資金は、入ってくるお金-出ていくお金です。
通常、利益と資金は一致しません。
資金のほうが利益より少なくなることが多いのです。
その理由としては、次の3点が考えられます。
(1)仕入代金の支払いが先で、
売上の入金が後になる資金のタイミングのずれ
売上代金の回収サイトが仕入の支払サイトより長ければ、
仕入の支払を売上から支払うことができないので、
不足する資金を調達する必要がでてきます。
(2)借入金がある
借入返済は会社から資金が出て行っているのだから、
経費になると思われていることがよくあります。
借入返済のうち、
経費になるのは、利息部分のみで元本は経費となりません。
借入をして、
会社にお金が入ってきても収入として課税されることはありません。
借りたときに収入になっていないのですから、
借りた分を返済しても経費にはならないのです。
売上1,000万円 経費800万円 借入返済 150万円
の場合を考えてみましょう。
利益は、売上1,000万円-経費800万円=200万円です。
資金は、入ってくるお金1,000万円-出ていくお金
(800万円+150万円)=50万円となります。
ここで忘れてはならないのが、納税資金です。
利益200万円に対しては法人税等の税金がかかります。
仮に税率を40%とすると、80万円が税金です。
今、手元資金は50万円ですから、税金80万円を払うには
30万円足りなくなってしまいます。
(3)過剰な在庫がある
在庫は、仕入れたときにお金が出て行っているにもかかわらず、
売れていないので、お金は入ってきません。
決算時点での在庫は経費にはなりません。
在庫が多ければ、
見かけの利益は増えるので、税金も多く支払うことになって、
資金不足の状態は深刻になります。
いつも資金が不足すると感じたら、この3点を見直してください。