ちょっと昔の話ですが、 

4月3日(水)でんさいネットの研修会((税)川中経営・(協)さわやかグループ共催)に参加してきました。

講師には、北陸銀行鯖江支店より支店長様を始め複数の方にお越し頂きました。

私自身、仕事柄いろんな決済形態を見てはいましたが、「でんさい」については名前を聞いた事がある程度の認識でしかありませんでした。

「でんさい」とは以下の様な内容だそうです。

通称:でんさいネット

運営会社:株式会社全銀電子債権ネットワーク(全銀協100%出資)

役割:電子記録債権(手形・売掛債権の問題点を克服した新たな金銭債権)を記録・流通させる新たな社会インフラを全国的規模で提供

勘違しがちなのは、手形や小切手を電子化したものではなく、それに変わる新たな決済手段という事です。

こんなやりとりのイメージです。

「今まで」 

      A社:来月の支払は、30万円は小切手、残り90万円は手形を振り出しますわ。

      B社:わかりました。じゃあ25日に集金にいきます。
     
      B社はC社に対して:来月の支払\は100万円の手形を振り出させて下さい。

      C社:わかりました。じゃあ25日に集金にいきます。       

「でんさい」を利用するとこうなります。

      A社:来月の支払120万円は「でんさい」でお願いします。

      B社:わかりました。
         (じゃあ、このでんさいを分割してC社への支払に使おう・・・。)

      B社はC社に対して:来月の支払は「でんさい」でお願いします。
         
      C社:わかりました。    

      (B社はA社からのでんさい120万円を100万円と20万円に分割、
        C社へ100万円でんさいで支払う)
※このイメージは、ほんの一部のやり取りであり、他にもいろいろ出来る様です。            
 

利用状況:研修日現在で全国で12万5千件の利用者登録が行われている。
       北陸地区では1000件。
       実際の取引件数は406件、決済金額は86億円

同業他社:電手決済サービス(電手)(三菱東京UFJ銀行)
       みずほ電子債権決済(電ペイ)(みずほ銀行)
       支払手形削減サービス(三井住友銀行)

メリット:手形と異なり、印紙税は課税されません。
     手形の発行、振込の準備などの事務負担の軽減と効率化。
     ペーパーレス化により紛失・盗難の危険がない。
     必要な分だけ分割して譲渡や割引をする事が出来る。

デメリット:1回の請求に対して3つ以上の債権に分割することが出来ない。
       5銀行営業日を経過したでんさいに対しては取消などの手続きが大変。
       (すべての利害関係者の承諾が必要)
             債権金額が1万円未満の取引ではでんさいは利用出来ない。
       支払期日を発生日から7銀行営業日までとする記録は出来ない。
             支払側も貰う側も両者が「でんさい」の利用登録をしていないといけない。
       電ペイなどの同業他社で発生させた電子記録債権は利用出来ない。

その他にもいろいろなお話しが有りましたが、世の中についていくのは大変だぁ、この「でんさい」についても今後、変更されていく点があったりするのだろうなぁという印象を持ちました。

他の参加された方からもいろいろな質問があり、実に有意義な研修会となりました。

【小辻正俊】