人材開発支援助成金は、企業が従業員に対して職務関連の教育訓練を実施した場合に、その訓練にかかる経費や訓練期間中の賃金の一部を国が助成する制度です。特に中小企業に対して、社員のスキルアップや定着率向上の支援策として有効です。
2025年度の主な変更点
1.賃金助成額の引き上げ
最低賃金の上昇を受けて、賃金助成額が増加しました。例えば人材育成支援コースでは、通常時の賃金助成額は760円/時間から800円/時間に引き上げられ、さらに賃上げ要件を満たす場合は960円/時間から1,000円/時間に引き上げられました。
2.有期契約労働者等への支援強化
有期契約労働者等の訓練機会の確保及び正規雇用労働者への転換等を促進するため、人材育成支援コースにおけるに有期契約労働者等に対する助成メニューを整理・重点化し、経費助成率は70%(一部メニューで最大75%)、正社員化すると100%に引き上げられました。
3.申請手続きの簡素化
申請様式の共通化や添付書類の整理により、手続き負担が軽減され、計画届の提出期限は「訓練開始の6か月前から1か月前まで」の期間に拡大されました。
助成対象となる訓練例
・OJT:新規導入した設備の操作指導、現場での作業工程の直接教育 等
・Off-JT:社外主催のITスキル研修、リーダー向けの階層別研修、
ビジネスコミュニケーション講座 等
・eラーニング:安全衛生教育コンテンツ受講、DX推進のためのオンライン学習 等
申請の流れとポイント
1.訓練計画の作成と「訓練実施計画届」の提出(6か月前から1か月前まで)
2.訓練実施と記録の保管
3.訓練終了後に支給申請書類を作成・提出
※計画届提出時の確認が行われず、支給申請で一括審査になるため、書類不備や訓練内容の条件未達に気付くのが遅れるリスクがあります。申請書類は最新の様式を利用し、添付書類の整理がなされていることに注意してください。
2025年の人材育成支援助成金は賃金助成額の引き上げや申請手続きの簡素化など、企業にとって利用しやすい制度となっています。特に中小企業は社員教育の費用負担軽減に活用しやすいので、最新制度に基づいた計画を早めに立てることが重要です。
最新情報・詳細は下記URLより、厚生労働省ホームページをご確認下さい。https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html
