忍び寄る貧しさ
・「エンゲル係数」は家計の消費支出全体に占める食費の割合を
示すもので、高いほど生 活水準が苦しい。
・食料品は生命を維持する最低水準という要素があり、嗜好品に比べて
極端に節約できない。
従って生活が貧しくなっってくると家計支出に占める食品の割合は増加する。
それ でエンゲル係数は生活水準を示す指標といわれている。
・最近の日本ではどうだろうか。
2016年は25.8%で、4年連続で上昇しており、
最近3カ年の伸びが著しい(総務省調べ)。G7(先進7カ国)の中では
トップのイタリアに接近している。
・エンゲル係数の中身を見ると30~59歳は25%程度で、
60歳代は約29%、70 歳代は約31%と高齢者層ほど多くなっている。
・アベノミクスの5年間、円高誘導によって、肉などの食品の価格が
上昇した影響が大きい。
株や土地などの資産を持つ富裕層にとってはと景気は上向きとされるが、
賃金は伸 び悩み、社会保険料の負担増などで国民のふところは痩せた。
・節約志向が強まり食費以外の出費を抑え、共働き世帯は調理済み食品や
外食など時間節約の出費がかさんでいる。
国民全体では貧しさが増えてることが憂慮される。
【川中 清司】