現在は、輸出の増加、設備投資の伸び、堅調な個人消費等により回復基調が続いている。 
とは言っても取引先の方々からは、景気がいい実感がない、という声がよく聞かれる。
それが現状ではないかと思考する。

 現在の設備投資の伸びは、輸出の増加や生産性の向上等を背景とした企業収益の改善を
受けたものである。しかし、今後の動向については海外経済等の先行き不透明感から、減速
懸念も指摘されている。

 海外景気の減速、原油その他素材価格の高騰等を受けて企業収益の増加率が鈍化すれば、
その勢いは弱まる可能性がある。

 個人消費は、消費マインドの改善、デジタル家電市場の成長、高齢者層の消費拡大が下支
えをしており、堅調に推移している。
 雇用環境については、求人動向が順調に推移し、失業率も低下傾向にある等、改善の兆しは
見られる。但し、正社員からパート労働にシフトしている面もあり、雇用情勢の改善が家計の所
得増につながるかどうかは不透明である。

 高成長が続いている中国では、景気の過熱抑制のための金融引き締め政策が軌道に乗れば、
成長率は徐々に低下に向かうことが予想される。

 さらに、ここにきて中国野菜の残留農薬問題が大きく取り上げられ、世界の、特に日本の各食
品会社が警戒感をもっているなか、懸念材料である。このように、今後、海外経済の成長率が鈍
化すれば、我が国の輸出の伸び率も低下する可能性がある。

 又、最近の原油価格の高騰は、日本はじめ、アメリカ・中国等の景気の不安要因であり、今後
の動向を注視する必要‘大’である。